森の事始め

1月14日、[森の事始め vol.01]に引き続き、特定非営利活動法人[森の座]代表 西村智幸代表を講師にお招きし、2回目のワークショップを開催しました。このワークショップは、西光山 無量寺にて里山の整備を行いながら、森をより身近に感じ学ぶことを目的として、巡り社メンバーを対象に実施しています。

報告[森の事始め]里山整備はじめます。その1

報告[森の事始め]里山整備はじめます。その2

今回は「伐倒(ばっとう)」についての学びがテーマでした。対象となる木の選定、搬出については、事前に西村さんと下見を行い、安全面や作業工程を確認したうえで当日を迎えました。

伐倒作業そのものは、日頃からチェーンソーを使用している者、および資格を有する者が担当しましたが、伐倒の見極め方や、搬出のための道づくり、搬出機械の扱いについては、他のメンバーも参加し、実際に森の中で「木を切り、山から持ち出す」一連の流れを体験しました。

今回、伐倒した木を山から運び出すため、森の座さんより林内作業車「キャニコム・やまびこ」をお借りしました。最大作業能力は1200kg、110cm程の道幅を進むことができます。凸凹した狭い山道を、まるでムカデのように柔軟に進む姿は、逞しくもあり、どこか可愛らしさも感じさせます。

操作自体はシンプルですが、運転、積載、搬出の一連の作業を間近で拝見し、安全かつスムーズな作業は、操縦する西村さんの確かな技術あってこそだと実感しました。


道作り

やまびこを伐倒木の近くまで移動させるため、道幅の狭い箇所は人力で整地を行いました。斜面が迫り出している場所はスコップで切り崩し、残る切り株はチェーンソーで整えます。

やまびこが通れるよう、切り株を整える。



伐倒

準備が整い、いよいよ伐倒作業です。杉の木を倒す方向は、木の状態、安全面、搬出のしやすさ、作業動線などを総合的に考え決定します。

最初の1本は道沿いの木だったため、道側へ倒す方向で作業を開始しました。

慎重に受け口を作り、追い口を入れることで受け口側に倒れますが、このバランスにより上手く倒れるかどうかが決まります。

受け口の精度で伐倒の80%が決まるのだそう。

何度も何度も確認し、いざ伐倒。


森の静寂の中に、ミシッ、パキッ、ギーと音が響き、巡り社 代表 佐俣は、西村さんの指示を仰ぎながらなんとか遊歩道に倒すことができました。



搬出

伐倒後は枝葉を落とし、410cmに切り揃えてからやまびこへ積載します。このやまびこは、約50m先からでも木を引き寄せ、積み込むことができるそうです。なお、落とした枝葉は道下(谷側)へ。森の中には、こうした暗黙のルールが随所に存在しています。

今回は合計3本の伐倒を行いました。そのうち1本は森の座さんに引き取っていただき、薪として活用されます。残る2本は、今後の薪割り体験やその他の活用方法を探りながら、玉切りにして森から運び出す予定です。

あっという間に手際良く丸太が積まれていきます。西村さんの作業風景は見ていて惚れ惚れします。
きっと大人だけでなく、子供達も林業カッコイイ!と思うはずです。

おわりに

今回の伐倒体験は、山や森の現状、山に関わる人々、そして樹木がどのように製品となり暮らしにつながっているのかを、改めて考えるきっかけとなりました。

ちなみに、今回積載された杉1本のおおよその買い取り価格は3,000円前後だそう。重労働である森の作業に対し、決して高いとは言えない現実。森が整い、街が豊かに巡っていくためにも、この価値は改めて見直される必要があるのではないでしょうか。

豊かな里山を維持することは決して容易ではありません。でも今回はそれ以上に、森で過ごす時間が清々しく、参加したメンバーの表情からも、充実した時間であったことが感じられました。

そして、命をいただくこと。それは、動物であれ、人間であれ、植物であれ、隔たりなく[尊い]ことなのだと感じました。

現在、「森の事始め」への参加は巡り社メンバーが対象となっていますが、今後はメンバー以外の方にも体験していただける機会を設けていく予定です。


伐倒後の年輪から、木がどんな育ち方をしてきたのかが見えるそう。
この場所は、10年前に一度手を入れています。間伐で光が入るようになった時から年輪がいっきに太り始めています。声を発さない植物も、その成長を様々な形で見ることができるのですね。

西村さん、作業後のお茶と会場提供してくださった無量寺さん、巡り社メンバーの皆さん、寒さ厳しい中のご参加・ご協力をありがとうございました。

このワークショっプは箕輪町森づくり・活用事業補助金助成事業として開催させていただきました。ありがとうございました。

キイロアシナガバチの巣。ブローチみたいで素敵。